陽春の街を走る
鮮やかなツツジが街を彩る季節となった。ランニングコース沿いのツツジは、白・赤・ピンクと咲き誇り、走り抜けるとふわりと甘い香りがする。今こそランニングに最適な季節である。今日は仕事が立て込んでいて早朝の時間を逃してしまったが、あまりに清々しい天気に誘われて真昼に1時間ほどランニングをした。暑くなってしまうと真昼に走るのは無理になる。今しかない陽気を楽しみたい。
中国EV市場で背水の陣を敷く日本メーカー
中国市場で苦戦する日本勢は、電動化戦略を加速させざるを得ない。27日付日本経済新聞は「背水の日本勢、中国専用EV」と題し、以下を報じた。
- トヨタ:車載OSに華為技術(Huawei)を採用
- ホンダ:AI新興企業DeepSeekを搭載し、音声対話機能を強化
日本メーカーが中国IT企業と連携し生き残りを図る姿が鮮明となった。
生成AIの進化と実務活用
生成AIの話題は尽きない。西武ライオンズの隅田投手がChatGPTに助言を求めたという報道もあり、一般利用が急速に広がっている。OpenAIは最新モデル**「ChatGPT o3」**を公開し、従来のGPT-4.5やo1を凌駕する思考・推論能力を実現した。
私は業務で中国語・英語・日本語を常用しているが、o3の翻訳・要約性能は3年以上使用してきたDeepLを大きく上回る。たとえば、中国企業向けに自作した中国語メールを入力し、背景・宛先・意図を詳細に指示すれば、極めて丁寧かつ的確な文面に仕上がる。ただし、最終チェックと微調整は人間の責務である。
当社ブログ「リアル中国生活!Mikiの上海通信」https://sugena.co.jp/blog-cat/miki/および「未来はここにある──中国Z世代のリアルを読む」https://sugena.co.jp/blog-cat/yoshimiのサムネイルは、いずれもChatGPT o3で生成している。
「Mikiの上海通信」に挿入しているイラストの一部は、執筆者Miki氏が、TikTokの運営元バイトダンスが提供している生成AI 「豆包」 を使って作成している。著作権的配慮に課題は残るものの、完成度の高さは驚嘆に値する。
生成AIへの過度な依存はリスクとなり得るが、「使わない」という選択肢はもはや非現実的である。まずは身近な業務や創作から試し、その価値を体感することを推奨したい。
G20財務相会議:関税政策と米中貿易戦争の行方
主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が23日、ワシントンで開幕された。
米国の高関税措置に対する各国の懸念が噴出した。加藤財務相は米中間で続く報復関税が実体経済に不確実性と悪影響をもたらしていると指摘し、関税の早期見直しを要求するとともに、中国に過剰生産能力の是正を促した。複数の参加国も「経済に悪影響を与える」との危機感を共有し、議長国南アフリカは意見集約の困難さから共同声明の採択見送りを示唆した。
米財務長官ベッセント氏は24日の加藤氏との会談を前に「為替水準に具体目標は要求しない」と明言しつつ、G7合意に基づく市場決定原則の順守を期待し、円安誘導を牽制した。ベッセント氏は貿易不均衡是正を最優先課題に掲げ、関税・非関税障壁・為替操作・政府補助金を交渉対象と位置づけるとともに、IMF・世界銀行改革を通じた対中圧力強化に意欲を示し、「持続可能な国際金融システムの青写真」を描くと宣言した。
自動車25%関税の撤廃を目指す日本に対し、米商務省は安全保障上の理由で応じない構えを崩しておらず、通商交渉は難航が必至である。
一方で、その直後、トランプ米大統領がホワイトハウスにて、「我々はいかなる取引にも軍事を絡めるつもりはない」と発言。不満を示しながらも、「軍事については別途話し合うとして、関税を巡る議論とは切り分ける考えを示した。
やはり、最大の関心事は、米国の日本に対する貿易赤字の解消となる。30日に赤沢経済再生相が再度、米国を訪問し、2度目の交渉に臨む。そこで、どこまで、見えてくるのか、予断を許さない。
日本人にとって最大の関心事は対日関税の行方であろうが、世界経済に最も重大な影響を及ぼすのは米中貿易戦争の帰趨である。
トランプ米大統領は24日、両国が同日午前に貿易摩擦緩和に向けた会合を開いたと明かし、中国側の「協議は行われていない」とする主張を否定した。大統領は記者団に「彼らは今朝会合を開いた」と述べ、詳細には触れず「『彼ら』が誰かは問題ではない。われわれは中国と協議中だ」と語った。一方、中国政府は「米国との貿易協議は実施していない」と発表した。中国外務省の郭嘉昆報道官は記者会見で「関税を巡る協議や交渉はなく、合意にも達していない」と述べ、関連報道を「誤報」と断じた。対してホワイトハウス関係者によれば、今週、事務レベルの対面協議と電話協議が行われたという。
これに先立つ23日、ベッセント米財務長官は「米中双方が課す高関税は持続不可能であり、交渉を前進させるには互いに関税を引き下げる必要がある」と指摘しつつ、「いかなる措置も一方的には実施しない」と強調している。24日の会合の真相は依然不明だが、米中双方とも現状を放置できないとの認識は共有しているはずである。何らかの交渉が進んでいることを期待したい。
米国ではすでにクリスマス商戦への準備が始まっている。4月末の時点で12月に備えるとは早いようだが、米国は玩具の大半を中国から輸入している。このままでは、米国の子どもたちはクリスマスプレゼントのない聖夜を迎える可能性すらある。
ちなみに、赤沢経済再生相がかぶっていた「Make America Great Again」の赤い帽子も中国製であるらしい。
連載のご案内
「中国のAI発展の現状と未来――グローバル競争での台頭」は全3回の連載で、最終回は30日公開予定。本シリーズではZ世代がAIをどのように活用しているかを平易に整理している。執筆者は北京大学を卒業後、東京大学大学院を修了した日中ハイブリッドのZ世代女性である。
ぜひご一読いただきたい。
https://sugena.co.jp/blog-cat/yoshimi
4月20日