社長の日曜日

社長の日曜日 vol.137 春、本番 2026.03.30 社長の日曜日 by 須毛原勲

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桜、満開

 井の頭公園、神田川沿い、そして高井戸の公園。いつものウォーキングコースの桜が、ほぼ満開を迎えた。

 週末の井の頭公園は、早朝にもかかわらず青いシートで埋め尽くされている。場所取りのまま横になっている人もいれば、既に乾杯している人たちもいて、あちこちでスマホや高級カメラが桜に向けられていた。10キロのコースを歩き終えて戻ってきたころには、公園はすっかり人で溢れていた。

 春、本番。

球春到来

 WBCの余韻も冷めやらぬ中、MLBも日本のプロ野球も開幕した。

 我が巨人軍は、ドラフト1位ルーキーの竹丸投手が開幕マウンドを任された。実に64年ぶりとなる新人開幕投手だ。エースの戸郷投手が2軍スタート、山崎伊織投手も故障と、苦しい台所事情の中での抜擢だったが、見事な投球で初勝利を飾った。苦肉の策が思わぬ勇気をくれた。そして、サードには私の推し、坂本勇人選手がいた。それだけで少し胸が熱くなった。

 今年は岡本選手がMLBのブルージェイズへ移籍し、多くの解説者がBクラスを予想する中での船出だ。正直、苦戦を覚悟していた。だからこそ、この初戦の勝利は素直に嬉しかった。

 とはいえ、土曜日は阪神に完封負け、そして今日は大敗。現実はそう甘くない。ジャイアンツの勝敗に一喜一憂する生活が、今年もまた始まった。嬉しいやら気がもめるやら。

 MLBでは、ブルージェイズに移った岡本選手が好調なスタートを切っているという。今年は二つのユニフォームを追いかけることになりそうだ。ジャイアンツとブルージェイズ。どちらのグラウンドにも、応援し続けたい男がいる。

中国企業との協業の現場は

 先週、中国・成都に出張してきた。とあるプロジェクトのトライアルが始まり、現地の会社の幹部・スタッフとの打ち合わせのための2泊3日だった。

 日中関係が緊張するさなかの中国出張である。

 まず、日本から成都への直行便がなくなっていた。北京経由を選ばざるを得なかったが、中国行きのフライト自体が減便されているため、席を確保するだけでも一苦労だった。出発当日、自宅を朝5時に出て、成都のホテルに着いたのは夜の8時(日本時間9時)。ドアtoドアで実に16時間。正直、遠い。運賃も以前より高くなっている。「中国に行きづらくなっている」という現実を、身をもって実感した。

 それでも、短い滞在の中で、日本人だからといって厳しい視線を浴びることも、怖い思いをすることも、一切なかった。

 打ち合わせは順調だった。新しいプロジェクトということもあり、先方の社長と担当部門の副社長を含む幹部が顔を揃え、本場の四川料理で歓待してくれた。昼食だったので、四川が誇る銘酒・五粮液こそなかったが。

 中国側のメンバー全員から、このプロジェクトを必ず成功させるという熱意が伝わってきた。自分の意見をきちんと述べる。自己主張ではなく、冷静に、客観的に。言葉は丁寧だが、その奥にある本気は十分に伝わってきた。そこには、日中関係の緊張など、微塵も感じられなかった。

 実は、この会社とは2024年、別のプロジェクトで約1年間、共に仕事をした縁がある。そのプロジェクトは発注元の都合で契約更新されることなく、中途半端な形で幕を閉じた。内心、忸怩たる思いの残る仕事だった。それでも、その1年を通じてお互いの間に確かな信頼関係が育まれたことも事実だ。

 今回の新しいプロジェクトの芽が見えたのは、去年の9月のことだ。そこから半年。交渉を重ね、準備を積み上げ、ようやくトライアルに漕ぎ着けた。

 テーブルの向こうで真剣な眼差しを向けてくる中国人スタッフたちの顔を見ながら、腹の底から思った。何としても、このプロジェクトを成功させる、と。

ソニー・ホンダ協業EV撤退

 「非常に悔しい思いであり、苦渋の決断だ」——ホンダがソニーと共同で進めていたEV2車種の開発・発売の中止を発表した。

 遡ること3月12日。ホンダは2026年3月期の連結最終損益が最大6,900億円の赤字になる見通しだと発表していた。前期は8,358億円の黒字だったが、従来予想から最大9,900億円の下振れとなる。上場以来初めての最終赤字だ。EVの普及鈍化を踏まえ、北米で生産を予定していた一部モデルの発売・開発を中止し、関連する資産や設備の減損損失を計上する。

 この発表が出た瞬間から、「ソニーとの協業EVはどうなるのか」という嫌な予感がしていた。その予感は、現実となってしまった。

 ソニーとホンダ。日本を代表する二つのブランドが手を組んだEV開発(次世代アフィーラシリーズ)という夢は、幻に終わった。それでも、EVの普及期を見据えて今後も続けるかどうか、協議は続けるという。

 何度撤退しても、また挑戦し続けてきた。それがホンダというメーカーのDNAだ。F1しかり、二輪しかり。この夢も、形を変えて必ず蘇ると、私は信じたい。

頑張る人たち

 先週、大相撲春場所は霧島が優勝を果たし、12場所ぶりの大関復帰を成し遂げた。そして、もう一つ、胸が熱くなるニュースがあった。炎鵬だ。

 小兵ながら幕内で勝ち星を重ね、かつて多くのファンを沸かせた炎鵬は2023年夏場所で首の脊髄損傷を負い途中休場。その後6場所連続全休となり、番付は序ノ口まで転落した。それでも彼は諦めなかった。徐々に番付を上げ続け、春場所では幕下4枚目で5勝2敗の好成績を収め、夏場所からの関取復帰を決めた。幕内経験者が序ノ口から関取へ返り咲くのは、昭和以降初めてのことだという。31歳の男が、どれほどの覚悟でこの道を歩き続けてきたか。ただ、頭が下がる。

 そして、チェコのプラハで行われたフィギュアスケート世界選手権。坂本花織選手が自己ベストを更新し、2年ぶり4度目の優勝を果たし有終の美を飾った。今シーズン限りでの引退を表明している彼女が、フリーで選んだのはシャンソンの「水に流して」。そのメロディーを口ずさみながら、心境を問われた坂本選手はこう答えた。「何も後悔していない」と。

 思い通りにならないことの方が多い。

 それでも前を向き続ける。

 スポーツはいつも、そのことを思い出させてくれる。

「あきらめたらそこで試合終了だよ」

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《今週の写真》カタクリの花言葉 『謙譲』

朝日に照らされた満開の桜は圧巻だ。毎年見ている風景のはずなのに、ふっと息をのんで、足が止まってしまった。

桜が空を埋め尽くすように咲き誇る一方で、足元でひかえめに、しかし確かな存在感を持って咲くカタクリ。早朝に見かけたときは下を向いていた花が、帰路では一斉に花弁を空へ大きく向けていた。

亡き父がこよなく愛した花だ。実兄が、父のために編んだ句集のタイトルにも、この花の名が選ばれた。紫の小さな花を見るたびに、父のことを思い出す。

2026年3月29日

by 須毛原勲

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