社長の日曜日 vol.159 白露 2026.09.07 社長の日曜日 by 須毛原勲

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雨の朝、セミの声がしない公園

 東京はここのところ、毎日のように雨が降っている。今日も雨。気温は23度。いつものようにノースリーブのジョギングウエアで歩き出したら寒かった。気がつけば、セミの声を聞かなくなっている。

 8月の東京は涼しかった。猛暑日はわずか3日。月の平均気温は26.7度で、平年をやや下回った。去年、一昨年の、あの寝苦しさが嘘のようだ。だが、それは東京の話でしかない。

 今年から気象庁の予報用語に加わった「酷暑日」。最高気温40度以上の日を指す。この夏、全国914地点のうち22地点、のべ36地点で観測された。過去最多だった昨年の30地点を上回っている。西日本の8月下旬の平均気温は平年より2.5度高く、1946年の統計開始以降1位。8月26日には、福岡の博多と太宰府で40度を超えた。

 そして豪雨。

 8月13日から14日、千葉県では線状降水帯による豪雨に見舞われ、「令和8年8月千葉豪雨」と名前がついた。

 27日は北陸。深夜から未明にかけて石川と富山に線状降水帯が居座った。12時間の雨量は、石川県羽咋で316.0ミリ、富山県氷見で317.0ミリ。いずれも観測史上最大である。29日から30日にかけては、福井でも記録的な大雨となった。雨のピークは、人が寝ている時間帯だった。

 今週も、4日に宮崎で24時間雨量が300ミリを超え、5日未明には種子島・屋久島で線状降水帯。屋久島町にレベル5の土砂災害特別警報が出た。

 文字通り、地球が壊れかけているような雨。怖い。

中国フィジカルAIの熱気に煽られた夏

 8月はあっという間に過ぎた。夏休みは1日も取らないまま、9月になった。

 真ん中の8日間は中国出張。台風でスケジュールが動き、休むつもりだった日も結局は仕事になった。

 辛いかと言えば、そうでもない。中国で見たフィジカルAI企業のエネルギーは凄まじかった。上海と杭州で、最先端の企業をいくつか回った。訪問先はどこも世界中から集まった人で溢れていが、その熱狂のなかに日本人は見当たらなかった。日中関係の冷え込みもあるだろう。飛行機の便数も減った。だが、それだけではない気がする。北京に駐在していた頃、この種の現場に日本人がいないことなど、あり得なかった。何が変わってしまったのか。日本企業の目は一体どこに向いているのだろうか。

 出張中、現地で会ったほとんどの人と、その場でWeChat(中国のチャットアプリ)を交換してきた。以来、何度もメッセージをやり取りしている。9月に日本へ行くから会いたい、という連絡も来た。

 業界の動きは速い。次から次へと新しいものが生まれ、ニュースが飛んでくる。振り回されてはいけないということは承知している。同時に、フィジカルAIの本質はどこにあるのか、日本企業はどの方向へ進むべきなのか。簡単には出ない答えを、考え続けている。

スキマ時間の夏休み

 とはいえ、休みが全くなかったのかと言えば、そうでもない。

 上海と杭州の8日間。会食が入っている日以外の夜は、ホテルで時間を過ごした。読みたかった本を数冊。観たかった映画とドラマは、あらかじめパソコンにダウンロードして持っていった。

 『一流シェフのファミリーレストラン』(原題 The Bear)。シカゴの下町、兄が遺した店を弟が立て直す話である。登場人物は全員、何かを抱えている。それでも厨房に立つ。副料理長シドニーを演じるアヨ・エデビリが素晴らしい。仲間はいいな、と思う。

 『ザ・ボローズ』(Netflix)。砂漠のなかの高齢者居住地で、奇妙なことが起こり始める。アルフレッド・モリーナ、ジーナ・デイヴィス、ビル・プルマン。かつてスクリーンで観た顔が、みな高齢者を演じている。なんか、元気になる。

 そして『永遠の記憶』。

 7月23日、東野圭吾氏が亡くなった。この本は、その半月後の8月5日に刊行された。デビュー作『放課後』から数えて106冊目であり、事実上の遺作となった。

 ご本人が、これが最後になると思って書いていたのかどうかは分からない。だが、そう思って書いていたのだろうと思わせる本である。長年の読者として読み終え、そして、上海のホテルで一人静かに本を閉じた。

 スキマ時間に、読書と映画とドラマ。それが私のささやかな夏休みだった。

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今、見て、感じてほしい。中国フィジカルAIの現在地を。

上海・杭州、4泊5日。中国の最先端フィジカルAI企業を訪問するツアー企画を監修中です。
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(本ツアーの主催・運営・実施は旅行会社が行い、弊社は企画の監修を担当。)

詳細は決まり次第、弊社ホームページ及び旅行代理店より告知いたします。

どんなことでも、お気軽にご相談ください。

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《今週の写真》紫御殿

雨上がりの道ばたで、小さな紫色の花を見つけた。

ムラサキゴテン(紫御殿)。別名、パープルハート。ツユクサの仲間で、メキシコから1950年代に渡ってきたという。

葉も茎も萼も、すべて紫。細かな産毛が水を弾き、雨粒が丸い玉のまま葉の上に残っている。

9月7日は白露。草に降りた露が白く光り始める頃をいう。

見覚えがあってこのブログを振り返ってみたら、昨年の8月25日号のサムネイルにもこの花を掲載していたようだ。

植物は、黙っていてもちゃんと同じ頃に花を咲かせる。

2026年9月6日

by 須毛原勲

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