初めての海外進出―成功への鍵

【第11回】海外とのコミュニケーションー言語・文化・本音を掴む 2025.07.17

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なぜコミュニケーションが「最後の勝敗ライン」になるのか

言語の壁は「ツール×ロジック」で突破せよ

1.文字中心の情報共有

2.自動翻訳+人間レビュー

3.5W2Hでロジックを補強

4.通訳と「相手に話させる」設計

【まとめ】

本音を掴む3つのスキル

スキル行動例鍵となる着眼点
リスニング・リーディング相手の言い換え・沈黙を記録「言わない情報」に注目
問いの設計WHYを2回、HOW MUCH を具体数字で聞く質問粒度で温度を測る
非言語サインの観察カメラ越しの表情、返信速度“関心>義理” を見極める

ポイント:相手が価格を即答しない、KPI を曖昧にする――これらは「まだ本音段階に至っていない」シグナルとして扱う。

文化の壁を超える“ゴールデンルール”

  1. ステレオタイプを避ける
    「中国人は・・・・」「インド人は・・・」と決め付けず、個人差を前提に対話を開始する。
  2. 相手を個として尊重
    13年の中国滞在で得た教訓は「文化傾向より個性差の方が大きい」こと。
  3. ゴールデンルールを行動基準に
    「自分がしてほしいことを相手に行う」を軸に置けば、文化差より倫理共有で信頼が早く築ける。
◆Episode 10 “1,000 台の約束”が消えた日

ファクシミリの時代、インド企業から「1,000 台買う」と連絡が入った。

電話は訛りで聞き取りづらく、FAX で念押し確認。

こちらは大量発注を前提に原価を下げ特別価格を提示した。

ところが蓋を開けると相手は「予算承認が下りなかった」と数量を 100 台に変更。

確認はしたが“本音”を掴めなかった私は、利益どころか在庫とキャッシュフローで大打撃を受けた。

教訓:数字を提示させただけでは不十分。      

「誰が決裁し、資金は何日で動くか」まで掘り下げてこそ本音に届く。

言語力だけではない本音を掴む技量が肝心。

メール1通・会議15分の精度を高めるチェックリスト

           項目YesNo
メール件名に目的+締切を記載している
5W2Hが本文に1度ずつ現れる
翻訳ツール結果を人が再校正した
会議アジェンダと質問票を前日共有した
会議後 24 時間以内に決定事項・ToDoを送った

90日コミュニケーション改善プラン

期間行動成果物
Day0~30主要取引先とのメール・議事録をサンプル抽出し、5W2H点検改定テンプレート
Day31~60オンライン会議に質問票・アジェンダを先送りし、回答率・即答率を測定KPI:即答率80%
Day61~90現地語+英語の2段資料を作成し、理解度テストを実施理解度90%以上
今日の宿題
  1. 直近3通の海外向けメールを開き、件名と5W2Hを赤字で追記。
  2. 次回オンライン会議用に 質問票5問 を作成し前日送付。
  3. ゴールデンルールに基づき、相手へ一つ“先に与える”アクションを決める。
総まとめへ

次回、【第12回】「支援の受け方・選び方」ー支援を受ける時に犯しやすい失敗、有効な支援を受けるために必要な準備などをまとめて解説。


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