リアル中国生活!ミキの上海通信

vol.11 今日もシェアしてますか? 2025.02.07 リアル中国生活!ミキの上海通信 by Miki

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「シェアリング・エコノミー」:21世紀に広がる新たな生活スタイル

モバイルインターネットの普及に伴い、社会資源がインターネットプラットフォームを通じて共有・流通されるようになり、これがいわゆる「シェアリング・エコノミー」と呼ばれるものです。この概念は海外の経済学者によって早くから提唱されていましたが、私にとっては21世紀に入ってようやく生活の中で徐々に触れるようになりました。


Airbnbの登場:宿泊体験を変えた共有資源

最初に耳にした「シェアリング・エコノミー」は、10年前に流行し始めた『Airbnb』でした。

当時、海外旅行をする際、インターネットでホテルを探していると、個性あふれる写真や家庭的な雰囲気が印象的で、しばしば惹きつけられたものです。

これらは、家主が空いている部屋をネットに掲載し、一時的に滞在する旅行者を迎え入れるものでした。標準化されたチェーンホテルではないため、価格が比較的安く、キッチンで自炊ができ、住宅街に位置しているため、より地元らしい宿泊体験を提供していました。地元の人々の本当の生活を垣間見るような感覚を与え、短期間の旅に自宅のような雰囲気を提供してくれます。おしゃれで自由な選択肢は、若者たちの間で大流行しました。


シェアオフィスの魅力:柔軟性と利便性を兼ね備えた新しい働き方

宿泊スペースが共有できるように、オフィススペースも共有できるようになり、これが後に多くの人に知られるようになった「シェアオフィス」です。

シェアオフィスは一般的なオフィスと比べて賃貸期間が短く柔軟で、追加の内装費用がかからず、交通の便が良い場所に位置しているため、短期間のオフィス需要やコスト管理が求められる中小企業やスタートアップに適しています。

持ち物をすぐに持ち込んで入居できるオフィス環境に、大小さまざまな会議室、休憩や打ち合わせができるスペース、デスクと椅子、さらに働く人には欠かせないコーヒーマシンなどが備わっています。

固定のオフィスよりも便利でありながら、自宅勤務よりも効率的です。このように少しリラックスした雰囲気のオフィス環境は、若い世代に好まれています。


移動手段の革新:シェアリング・エコノミーが生み出したネット配車サービス

宿泊や仕事に加えて、シェアリングエコノミーは移動手段にも浸透しました。

携帯電話のプラットフォームを通じて呼び出せる「ネット配車」は、当初は他の仕事を持つ人がその空き時間に行う副業として始まりました。

ネット配車業界は急速に発展し、多くの資本が次々と競争に参入しました。最初の「易到用車」、その後の「美団打車」や「高徳打車」、そして現在市場シェアの70%を占める「滴滴打車」などのプラットフォームは、市場シェアを奪うために多額の資金を投入しました。その結果、車両とドライバーの基準が向上し、ドライバーや利用者に対する補助金も増えました。

たとえば、上海のタクシー初乗り料金は14元(約310円)で、3kmを超えると1kmごとに2.6元(約57円)の追加料金が発生します。これに比べて初期のネット配車は、プラットフォームの補助金によって、タクシー料金の1/3程度になることが多く、深夜加算もありませんでした。そのため、人々は価格の安いネット配車を好むようになり、多くの人が専業のネット配車ドライバーとなりました。

また、プラットフォームは新しいサービスを次々と導入し、たとえば、「相乗り車」(※1顺风车)や「専用車」(※2 专车)などがあります。街頭で呼び止める従来のタクシーよりも便利であることから、ネット配車は人々の主要な移動手段の一つとなりました。


最後の1キロメートルをつなぐ:シェア自転車

もう一つの交通手段は「シェア自転車」と呼ばれるものです。これは2015年頃に登場しました。(※3 横空出世)

地下鉄の路線は毎年増加・延長されているものの、駅から自宅の玄関先までの「最後の1キロメートル」をどうつなぐかという問題は依然として課題でした。自転車がほとんどの人に馴染みのある中国では、「シェアリング・エコノミー」の発展とともに多くの投資家がこの分野に注目し、人々がスマートフォンのプラットフォームを通じて近くの空き自転車を見つけ、利用後に自動で料金が引き落とされるという仕組みが誕生しました。こうしてシェア自転車産業は急速に成長しました。

地下鉄の駅、学校、病院、住宅街の近くには、黄色や青色などの自転車が整然と並んでいるのをよく見かけます。これらは「小黄車(黄色の自転車)」や「小藍車(青色の自転車)」と親しみを込めて呼ばれています。これらの自転車は、利用者の身長に合わせて高さを調整でき、後部座席のQRコードをスキャンするだけで解錠して利用できます。たとえば、上海の「ハロー自転車(哈啰単車)」の場合、15分間の利用で1.5元(約33円)、以降15分ごとに1元(約22円)が加算されます。登録時には299元(約6,500円)の保証金を預け、車両の適正利用を保証します。自転車が故障した場合は、プラットフォームを通じて連絡することができ、専任のスタッフが車両の配置やメンテナンスを行います。

「2024年度中国主要都市シェア自転車・電動自転車利用レポート」によると、人々の平均移動距離は1.5キロメートル、費用は約1.5元(約33円)です。シェア自転車は公共交通のターミナルと目的地をつなぐ移動手段として完璧な解決策となっており、自転車の軽快さ、自由に停められる利便性、環境に優しいという要素が、利用者を増加させています。


身近に広がる共有経済:生活を変える新たな利便性

日常生活でよく見かけるものとして、大型ショッピングモールやレストランで提供されるシェア充電器やシェア傘などがあります。これらは、身近にある資源を集中的に再分配する方法として広く普及しています。

宿泊であれ移動であれ、シェアリングエコノミーは資源の利用効率を大幅に向上させ、使用コストを削減し、生活の様々な場面で便利さを提供し、人々の消費習慣を変えるほどの影響を与えています。インターネット、ビッグ・データ、人工知能の発展とともに、シェアリングエコノミーが、さらに多くの分野で私たちによりスマートで個別化された利便性をもたらすことを期待しています。

<気になる中国語>

1.  顺风车( shùn fēng chē)

2. 专车 (zhuān chē)

3.横空出世 (héng kōng chū shì)

これらの中国語を覚えることで、最新の話題や中国文化について理解が深まるでしょう。ぜひ日常会話の中で活用してみてください!

by Miki

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