足の裏で感じる春
今年の桜もそろそろ終わりに近づいている。朝のジョギングコースの足元には、桜の花びらがびっしりと敷き詰められていた。川や池に浮かぶ花びらを「花筏(はないかだ)」と呼ぶが、地上に降り積もった花びらは「花筵(はなむしろ)」というらしい。その花筵を踏みしめるたび、靴の底にほんのりとした柔らかさが伝わり、まるで桜の絨毯の上を歩いているような贅沢な気持ちになった。
季節が移り変わってきたせいだろうか、ラジオ体操の冒頭で皆が声をそろえて歌う歌声も、どこか力強く、元気に満ちているように感じた。久しぶりに訪れた公園では、体操に参加している人たちの服装もすっかり春らしい装いに変わっていて、季節の移ろいを肌で感じた。小学生の男の子が2人参加しており、おばあちゃんたちの人気者になっていたのが微笑ましかった。
トランプ関税に翻弄される世界経済
先週は、米国が導入した「相互関税」によって、世界中の市場が大きく揺さぶられた1週間であった。4月9日午前0時1分に関税が発動されたが、わずか13時間後、トランプ政権はその中核部分を90日間一時停止すると発表した。全面発動から半日足らずでの方針転換であり、市場に衝撃を与えた。
この急転直下の背景には、株式、ドル、そして本来は安全資産とされる米国債までもが同時に売られる「トリプル安」の発生があった。市場は単なる貿易戦争にとどまらず、債券や通貨までもが交錯する「金融戦争」への波及を強く懸念している。
一方、10日、米ホワイトハウスは、中国に対する「相互関税」は停止されることはなく実施されると発表した。理由は中国が米国の相互関税に対して報復関税を発表したから。追加関税の税率は、125%ではなく、145%になるという。即座に中国も対米報復として、米国からの輸入関税を125%に引き上げると発表した。と同時に、「米国が関税の数字ゲームを続けたとしても、中国は無視するだろう。」として、これ以上の関税の引き上げ合戦には付き合わない可能性を示唆したという。それでも145%の関税というのは、ほぼ、中国から米国への輸入はやめましょうということに等しい非常に厳しいものだ。
少し前に、トランプ大統領と習近平主席の首脳会談を6月に米国で開催する案が検討されていると報道された。両首脳の誕生月となる6月に「誕生日サミット」を検討しているという。6月15〜17日にはカナダで日米欧の主要7カ国(G7)首脳会議が開かれる。「誕生日サミット」が開催され、劇的な「ディール」がなされることを心から願う。
こうした動きを受け、中国国内でパソコンやタブレットを生産しているアップルなどの米IT大手は、中国から米国への輸出を一時的に停止したと報じられた。
その直後の日本時間日曜日の朝、米政府は「相互関税」の適用対象からパソコンやSSDなどを除外する方針を発表した。累計で最大145%に達する対中追加関税による、スマートフォン価格の急騰を回避することが目的とされている。また、国内における半導体工場やAI向けデータセンター建設を推進するうえで、半導体製造装置や記憶装置の輸入が不可欠であるとの判断があったとみられる。
米税関・国境取締局(CBP)は米東部時間11日夜、この除外措置に関する通達を発出し、米ホワイトハウスもトランプ大統領が署名した関連文書を公表した。トランプ氏は同文書において、かねてより関税対象外とされていた「半導体」の定義に、スマートフォンおよび半導体製造装置を含めるという理屈を付け加え、相互関税の対象から除外したと説明している。この結果、スマートフォン、パソコン、関連部品が広く除外対象となった。SSDやサーバーに用いられる記憶装置も同様に除外されている。米国は、AI向け半導体の製造装置に関して、東京エレクトロンやオランダのASMLホールディングスに依存しており、国内供給体制は未成熟である。SSDや半導体製造装置は、データセンターおよび半導体工場の運営に不可欠だが、米国企業の競争力が劣っている分野である。高関税によって国内産業の保護を図った結果、かえって戦略産業の育成を阻害するという構造的矛盾が浮き彫りとなった。
トランプ大統領による米国の政策に、世界中が振り回されている。
今回、一時停止となった「相互関税」は、本当に90日後に実施されるのか。それとも、それまでに米国は各国との間で何らかのディールを成立させるのか。日本はその中でどのような立場を取ることになるのか。依然として予断を許さない状況が続いている。
大阪・関西万博開幕
今日、4月13日、大阪・関西万博が開幕した。
いろいろと批判があったこの万博も開催が近づいてくると多くのメディアが好意的に報じている。10月13日までの会期中に2820万人の来場を想定し、うち訪日外国人(インバウンド)350万人程度を見込んでいるという。もし、大阪に出張する機会があったら見に行ってみようかなと思い始めている。
4月13日