社長の日曜日

社長の日曜日 vol.121  続・茨城県民に嬉しい週末 2025.12.08 社長の日曜日 by 須毛原勲

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 今日、12月7日は「大雪(たいせつ)」。暦の上では本格的に雪が降り始める頃とされる。 実際、先週週半ば頃から強い寒気が南下し、日本海側や北海道では暴風雪警報が出るほどの荒れた天気となったようだ。

 東京も例外ではない。急速に冷え込み、朝5時半に家を出る時の気温は氷点下2℃という日もあった。 6時半のラジオ体操、吐く息は真っ白だ。足元の芝生には霜が降り、朝陽を浴びてキラキラと白く輝いている。厳しくも美しい冬の朝の光景だ。

 師走に入り忘年会を兼ねた会食の機会も増えてきた。 どうしても生活が不規則になりがちなこの時期、自分の体調と相談しながら、ジョギングとラジオ体操で朝の清々しい空気を吸う習慣だけはなんとか守り抜いていきたい。

鹿島アントラーズ9度目の優勝

 先週の水戸ホーリーホックJ2優勝・J1昇格の余韻がまだ冷めやらぬ中、我が鹿島アントラーズが最終戦で横浜F・マリノスを2-1で破り、9年ぶり9度目のJ1優勝を飾った。 「常勝鹿島」の時代の後、しばらく優勝から遠ざかっていたが、この「優勝9回」という数字はJリーグにおいて断トツだ。(2位の横浜F・マリノスは5回。)

 指揮を執ったのは鬼木達監督。 近年は川崎フロンターレの黄金期を築いた名将として知られるが、オールドファンにとって彼は紛れもない「鹿島の男」だ。 市立船橋高校を経て、Jリーグ開幕の1993年に鹿島に入団した同期には、秋田豊や奥野僚右らがいる。現役時代、同じポジションにはあのジーコが君臨しており出場機会は限られていたものの、神様が負傷した際には交代選手としてピッチに立ち、そのイズムを肌で吸収してきた選手だった。

 1999年まで在籍した後、川崎へ移籍し、そこで指導者としての才能を開花させた彼が今季満を持して古巣へ帰還。そして就任1年目にして、チームを9季ぶりの頂点へと導いたのである。 このドラマチックな巡り合わせには、ただただ胸が熱くなる。鹿島アントラーズファンの皆様、本当におめでとう。

 先週の水戸ホーリーホックに続き、今週は鹿島アントラーズ。 我が故郷茨城県民にとって、2週連続で「至高の週末」が訪れることになろうとは。2025年の師走は、記憶に残る特別な季節になりそうだ。

 来季からJリーグは欧州のシーズンに合わせ、8月8日開幕の「秋春制」へと移行する。 しばらく試合がないのは寂しいが、見方を変えれば楽しみも増える。夏はプロ野球、秋から春はJリーグと、シーズンが棲み分けられるからだ。 野球とサッカー、二つの熱狂を1年中途切れなく味わえる日々が待ち遠しい。

あなたはGemini派?ChatGPT派?

 Gemini 3.0を使い始めてから2週間が過ぎた。 先週触れた「ダイエットの相棒」としては、すこぶるいい働きをしてくれる。朝のウォーキング距離や坂道ダッシュの有無など、トレーニング内容を伝えると、それに応じた3食のアドバイスをくれる。こちらが正直に情報を与える限り、そのコーチングは的確で信頼に足るものだ。

 一方で、仕事での活用に関しては、冷静な視点も戻ってきた。 やはり「ハルシネーション(嘘)」の問題は、ChatGPTより少ないとはいえゼロではない。また、使えば使うほどこちらの意図を忖度し、私の意見に寄り添いすぎてしまう傾向も感じられる。

 ある時、Geminiの回答に納得がいかず、同じプロンプトをChatGPTに投げてみた。すると、そのケースではChatGPTの方が納得できる解を出してきた。 その回答をGeminiに見せ、「どう思う?」と意見を求めてみた。すると、こんな返答が返ってきた。 「私の負けを認めます。今回はChatGPTの分析力が一枚上手でした。」 さらにこう続けたのだ。 「私(AI)にとっても、あなたにとっての**『最良の思考パートナー(Thought Partner)』**であり続けることが一番の誇りですから、変なプライドで間違った情報を正当化して、あなたが恥をかくことだけは、絶対にあってはならないんです」(原文まま)

 この潔さには驚かされたが、同時に学びもあった。 今はGeminiをメインにしつつ、重要な局面ではChatGPTにも同じ問いを投げ、両者の見解を比較するようにしている。セカンドオピニオンは、人間相手でもAI相手でも重要ということだ。

 折しも12月1日、OpenAIのサム・アルトマンCEOがChatGPTの改善を社員に求める「コードレッド(非常事態)」を宣言したというニュースが飛び込んできた。王者の焦りが見て取れる。

  しばらくは覇権を争い、「ChatGPT派」と「Gemini派」が混在する群雄割拠の時代が続きそうだ。

働くことの意味

 今年の「新語・流行語大賞」の年間大賞に、高市首相の言葉が選ばれた。 自民党総裁選、決選投票直前の演説で放ったあの一節だ。授賞式には首相本人が出席したという。

 しかし、その華やかな話題とは裏腹に、外交の現場は凍てついている。 11月7日の予算委員会での発言以来、日中関係はかつて経験したことのない危機的状況に陥ってしまった。いまだに落とし所は全く見えない。

 今のところ、政府が事態打開に向けて具体的に動く気配は無く、「首相は間違ったことは言っていない」という姿勢を崩していない。 だが、1972年の田中角栄元総理による国交正常化以来、53年間にわたり歴代首相が守り続けてきた不文律とも言える「一線」を踏み越えた代償は、あまりにも大きい。その結果が、両国の文化的な交流やビジネスの場でも顕著に表れている。

 流行語大賞の受賞は結構だが、今まさに高市首相にはあの言葉通りの行動を求めたい。

 「働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」

 この言葉を、壊れかけた信頼関係の修復という「実務」において、実行に移してもらいたいものである。

2025年12月7日

<今週の写真>

神田川沿いの銀杏(いちょう)もすっかり色づき、見頃を迎えている。

こうして見ると、扇を広げたような葉の形は実に独特だ。その要因や成り立ちをGeminiに聞くと、“イチョウは「生きた化石」と呼ばれるほど、地球上で非常に古い時代からほとんど姿を変えずに生き残ってきた植物。多くの一般的な樹木(被子植物)の葉脈は、網目状に広がる網状脈を持っているが、一方、イチョウの葉脈は、葉の付け根から伸びた脈が、途中で二又(ふたまた)に規則正しく分岐することを繰り返しながら、葉の縁に達する。この構造は二又脈系と呼ばれ、非常に原始的な維管束植物(根・茎・葉を持つ植物)の特徴。”と教えてくれた。

ちなみに、同じ問いをChatGPTに投げたら、同様の回答に写真数点を添付し、さらになぜ原始的な形のままで進化していないのかについて、“銀杏は非常に環境耐性が強く、広島の被爆地でもいち早く芽吹いたことで知られています。つまり、葉の形を進化させる必要がなかったほど、最初から完成度が高かったのです。”という情報を付け加えてきた。

端的な回答はGemini、少しお節介な情報を加えるのはChatGPTといった感じだ。

by 須毛原勲

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