社長の日曜日

社長の日曜日 vol.129 火の馬に乗れ 2026.02.02 社長の日曜日 by 須毛原勲

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鬼を追い、春を呼ぶ

 日本列島は相変わらず寒波に覆われているが、 3日後の2月4日は「立春」。暦の上ではもう春だ。その前日である2月3日は「節分」にあたる。「鬼は外、福は内」。冬の寒さと邪気を払い、新たな季節を迎える準備は整いつつある。

60年ぶりの「火の馬」に乗れ

 昨日、毎年恒例となっている深大寺へ参拝に行ってきた。1月末とはいえ、境内は多くの参拝客で賑わっていた。護摩木(ごまぎ)をお納めし、燃え盛る炎の前でご祈祷を受け、お札を頂戴する。

 祈祷後の講話が、非常に興味深いものだった。「今年は、60年に一度の『丙午(ひのえうま)』です。」 干支が一巡して還暦を迎えた今年。前回1966年(昭和41年)はどんな年だったか。 お坊さんの話によれば、『ウルトラマン』や『サンダーバード』の放送が始まり、ビートルズ来日をきっかけにグループサウンズが熱狂を呼び、山本リンダが『こまっちゃうナ』と歌って世を席巻した年だったという。東京オリンピックが終わって2年。日本経済が「いざなぎ景気」の波に乗り、高度経済成長の坂を猛烈な勢いで駆け上がっていった時代だ。

 「丙午(ひのえうま)は、文字通り『火の馬』です。今日、この護摩の炎でお祓いを受けた皆さんは、この『火の馬』に跨ったも同然。どんな困難も、その勢いで乗り越えていけます。」なるほど、と思った。 迷信として恐れられることもある丙午だが、「火の馬に乗って障害物を突破する年」と捉えれば、これほど勇気の湧く話はない。護摩の炎を見つめながら、「今年は強気で攻めよう」と、腹の底が熱くなるのを感じた。

17分の法話と、自己責任の蕎麦

 実は、11時から始まったこの法話、たった17分であっさりと終わってしまった。お坊さん曰く、11時の回は、あまり長く話してはいけないことになっているので。」とのこと。 なぜなら、11時半きっかりに境内に『時(とき)の鐘』が鳴り響き、参道の蕎麦屋さんが一斉に賑わい始めるからだという。「あまり長くお引き留めすると、皆様が開店に間に合わず、長い行列に並ぶことになってしまいます。それは申し訳ない。」我々の魂の救済よりも、直後の昼食を心配してくださるとは。なんとも粋な配慮である。

 お坊さんは最後に、こう付け加えた。「本日、関東屈指の厄除け大師である深大寺で護摩供養をされた皆様は、もう大丈夫です。すでに火の馬に乗っておられます。さあ皆様、後は安心して、参道で深大寺蕎麦を食べて帰れば完璧です。」

 ここで終わるかと思いきや、お坊さんはニヤリと笑って続けた。「ちなみに、よく『美味しいお蕎麦屋さんはどこですか?』と聞かれますが、私の答えは『わかりません』です。こればかりは、自己責任でお店を選んでください。」 厳粛な法話の最後をユーモアたっぷりに結ぶその語り口に、堂内がドッと和やかな笑いに包まれた。

 鐘の音と共に行列へ急げ、でも店選びは自分の直感を信じろ、ということか。で、私はどうしたかというと、行列には加わらず、手軽な「蕎麦まんじゅう」を一つ食べて帰った。そばの代わりのまんじゅう一つ。御利益も少し控えめになってしまうだろうか。

6号のだるま

 参拝の帰り、参道のお店でだるまを買った。 実は昨年も同じ店で買ったのだが、そこはいわゆる「だるま専門店」ではない。深大寺蕎麦のお店の軒先で、ついでに、と言っては失礼だが、商機のために並べて売っているようなお店だ。 だが、昨年なんだかんだと言いながらも厳しい局面を乗り切ってこられたのは、この店のだるまのおかげかもしれない。そんな御礼の気持ちも込めて、今年もあえて同じ店で購入した。

 手にしたのは、昨年より一回り大きな「6号(22センチ)」サイズ。正直なところ、買う時には昨年と同じ5号(18センチ)にしようかと少し迷った。5号までは、どこか愛らしいサイズなのだが、6号になると、途端に「塊」としての存在感が増すからだ。

創業者が語るストーリー

 6号のだるまをしげしげと眺めていると、ふと、シンガポール駐在時代の熱い日々が脳裏をよぎった。当時は毎年、特大の15号(46センチ)のだるまを日本から抱えてインドへ飛んでいた。現地メンバーと共にそのだるまに目を入れ、その年の目標達成を誓い合った、あの「だるまチャレンジ」。

(ご興味がある方は、「創業者が語るストーリー/ 3 グローバル化の千本ノック」https://sugena.co.jp/company/message/をご一読ください。)

 あの頃の無茶苦茶なサイズとエネルギーに比べれば、今の6号はまだ可愛いものだ。あのサイズには、まだまだ先が長い。

 帰宅後、だるまの「左目(向かって右)」に目(魂)を入れる。太陽が昇る東。だるまを南に向けた時、東にあたるのが「左目」だ。願うのは、2026年の家内安全。今年一年が平穏無事に過ぎること。そして何より、我々の事業が順調に発展すること。一回り大きくなった赤き背中に、火の馬のような飛躍を託した。

熱量に勝る情報なし

 先週は、実に興味深いお二方とお会いした。お一方は、AIを活用した認知症予防の事業化に挑むお医者様。もう一方は、日本の地方と海外を繋ぐために奔走し、行政支援や人材育成など多方面で活躍されている方だ。

 共通していたのは、お二人とも話し方は非常に穏やかであるということ。だが、その静かな語り口の奥から隠しきれない「圧倒的な熱量」を感じざるを得なかった。熱量は、声の大きさでもなければ、情報量でもない。目に宿るのだ。彼らが発するその「熱」そのものが、私の脳を強烈に刺激した。「世の中には、まだまだ凄い人がいる」。そう痛感させられた。

球春到来、ワクワクする季節へ

 最後に、もう一つ熱い話題を。2月1日はプロ野球のキャンプイン、まさに「球春」の到来だ。12球団が一斉に始動した。我が巨人軍は、主砲・岡本が抜けた穴をどう埋めるのか。正直、期待よりも不安の方が大きい。しかし、厳しい時こそ応援し続けるのが真のファンというものだろう。

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《今週の写真》昇り龍の如く

梅の花が好きだ。 水戸の実家が偕楽園から歩いて行ける距離だったせいか、私にとって「春の花」といえば桜よりも梅だった。

小学校の頃、偕楽園で梅の木を写生したものだ。 梅の花は、桜のように木全体を華やかに覆い尽くすのではない。ゴツゴツとした古木の枝先に、ポツリ、ポツリと控えめに咲くのが身上だ。だからこそ、絵を描く時は花そのものよりも、黒く屈曲した「枝」と格闘している時間の方が長かったように思う。

花もいいが、風雪に耐えて曲がりくねったその「枝ぶり」こそが美しい。空に向かって捻じれながら伸びるその姿は、まるで天を目指す「昇り龍」のようだ。

火の馬、そして昇り龍。 やはり今年は、上を向いていく年になりそうだ。

2026年2月1日

by 須毛原勲

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