社長レポート

世界のユニコーン企業の現状 ① 世界のユニコーン企業の数750社に! 2021.07.29 社長レポート by 須毛原勲

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毎年何度か世界のユニコーン企業の数が話題になります。

中国のユニコーンについては、米国のCBインサイツの情報では、昨年11月時点で119社。中国の「2020年中国ユニコーン企業研究報告2021」(2021年4月発表)(発行元:新経済智庫長城戦略コンテンツ(新经济智库长城战略咨询)によると、251社と報告されています。未上場スタートアップのバリュエーションですので、資金調達の際に過剰な評価をされているかもしれませんし、その後評価が下がる可能性もあります。

上記二つのデータを元に、世界のユニコーン企業、そして中国のユニコーン企業の現状を分析してみたいと思います。

まず周知の通り、ユニコーン企業とは評価額が10億ドル以上(1ドル110円換算で1100億円)、設立10年以内の非上場のスタートアップを指します。直近の7月8日にCBインサイツが彼らの調査に基づく最新ユニコーン企業情報を公開しています。同社はスタートアップやベンチャーキャピタルなどの動向の調査・分析を主な業務としています。

CBインサイツによれば、2021年7月時点で世界のユニコーン企業は750社になったと報告されています。昨年の11月26日付日経新聞記事「世界のユニコーン企業、2年で500社に倍増 米中7割」(出所元:米国CBインサイツ)では、世界のユニコーン企業の数は500社になったと書かれていましたので、一年に満たない内に500社から750社に増えていることになります。 米国は242社から136社増えて378社とほぼ56%増え、中国は119社から36社増えて155社、こちらは30%増えています。

米国と中国の増加数が合計で172社なので、昨年の11月時点から今年の7月までの増加数250社の約7割を米国と中国で占めています。未上場スタートアップのバリュエーションにはいろいろと議論がありますが、コロナ渦の状況でこれだけの企業がユニコーン企業として評価されているということは驚異的です。世界のスタートアップはやはり米国と中国が牽引しているということになります。

以下の表は国別のユニコーン企業の数です。米国と中国で533社。世界のユニコーンの71%を占めています。

国別のユニコーン企業の数(2021年7月時点)

日本のユニコーンは6社のみ

日本は6社でシンガポールと並んで11位。6社の顔ぶれは以下の通り。

  企業価値 領域
1 Preferred Networks2000 AI
2SmartHR1600 HR
3Paidy1200 Fintech
4Smart News1000 Media等
5Liquid1000 Fintech
6Playco1000 ゲーム等
             (億円)

日本のGDPは約5兆ドルで世界3位。人口1億3千万人。シンガポールのGDPは3400億ドルで人口は570万人。GDPで6.8%、人口で4%のシンガポールと同じ数のユニコーンしかないということになります。

スタートアップ先進国として名前の挙がるイスラエルは、ユニコーン企業の数は17と日本のほぼ3倍。GDPは4000億ドル。人口は905万人。対日本比GDPで8%、人口で7%。

どうして日本にはユニコーン企業が育たないのか。スタートアップを育てるエコシステムの違い、スタートアップに回る投資金額が米国や中国等と比較して圧倒的に少ない状況や、若者の大企業志向、起業するというマインドの欠如等々、理由を挙げたらきりがありませんが、これについては別の機会に取り上げたいと思います。

Top5の業界

750社のユニコーン企業は幅広い業界から出ていますが、そのうちTOP5の顔ぶれは、特に違和感も無く、今後とも成長が期待される領域だということが窺い知れます。

   企業数
1 Fintech  131
2 Internet Software Services  117
3 e-Commerce & Direct to consumer  82
4 AI  62
5 Health  56

冒頭にも記しましたが、CBインサイツのデータだと中国のユニコーン企業の数は155社。中国の「2020年中国ユニコーン企業研究報告2021」(2021年4月発表)(発行元:新経済智庫長城戦略コンテンツ)のデータでは251社。

次回は、この251社のデータとCBインサイツのデータを比較しながら、中国のユニコーン企業の現状を分析してみたいと思います。

by 須毛原勲

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