顧問就任のお知らせ

顧問就任のお知らせ 2023.10.10 ニュース

この度、弊社代表取締役社長須毛原勲は、中国に拠点を有するバイオ医薬品会社Ractigen Therapeutics (https://www.ractigen.com/)の顧問に就任いたしました。

医療業界における創薬は、非常に時間がかかり、多大な投資とリスクを伴います。伝統的な大手製薬企業の内部研究だけでは新たな作用機序や治療法を迅速に見つけ出すことは難しいことから、スタートアップとの連携やオープンイノベーションのアプローチが重要性を増してきています。

弊社は2021年から、日本の製薬会社のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(”CVC”)の投資先候補となる中国のスタートアップの探索のお手伝いをさせていただいており、これまでの約3年間でロングリストとしてピックアップした中国の創薬系スタートアップは約500社。うち、オンラインでインタビューを実施したのは約30社。創業者の殆どが米国やドイツへの留学経験があり、且つ、米国やドイツの創薬企業での勤務経験を有する、非常に優秀な方々ばかりです。

この度、その内の1社、Ractigen Therapeuticsに顧問として参画、Ractigen社とのライセンス契約や共同研究を希望する日本企業との交渉を担当いたします。

Ractigen社と日本企業の縁が繋がり、国境を越えて、人種を越えて、Ractigen社の技術が多くの患者さんに届くことを願うものです。

以下、Ractigen Therapeuticsについてのご紹介。

Ractigen Therapeutics (https://www.ractigen.com/) は中国、江蘇省・蘇州ハイテク産業開発区内の蘇州バイオ医療産業パークの”BioBay”に拠点を有する臨床段階のバイオ医薬品会社であり、内因性遺伝子発現のアップレギュレーションを通じた治療薬としての低分子活性化RNA(saRNA)の開発をリードしている。

saRNAは短い二重鎖RNAの一種で、RNA活性化(RNAa)メカニズムにより、遺伝子のプロモーターを標的とし、配列特異的に遺伝子の発現を活性化するように設計されている。saRNAは、従来は治療不可能であった標的を調節する能力を提供し、遺伝的あるいはエピジェネティックな変化により発現が低下した治療用遺伝子の発現を刺激すること、あるいは正常な発現を持つ遺伝子の発現を刺激することにより、病気を治療するために臨床に応用できる数少ない利用可能な技術の一つである。

Ractigen Therapeuticsは、この分野のパイオニアであり、UCSFに勤務していた2006年にRNAaを発見した李龍成教授と、彼の長年の同僚でありパートナーであるロバート・プレイス博士によって2017年に共同設立された。

以下は、Ractigen Therapeuticsのパイプライン。

中枢神経系/神経筋疾患

ALS用RAG-17(SOD1-siRNA):SOD1変異を有するALSに対するSCADTM によるsiRNA医薬。RAG-17は複数の研究において、動物モデルの寿命延長と運動機能の改善において、Tofersenよりも有意に優れた効果を示している。本プログラムは現在FDAのIND審査中であり、FDAは既にオーファンドラッグの指定を行っている。中国では医師主導治験(IIT)が進行中で、2人の患者に投与された。

眼球

増殖性硝子体網膜症に対するRAG-1C(p21-saRNA):saRNAがp21の発現をアップレギュレートすることにより、網膜色素上皮細胞の増殖を抑制し、PVRの発症や再発を予防する。

肝臓

血友病治療薬RAG-20(FVII-saRNA):FVIIの発現を誘導し、代謝バイパスを形成することで主要凝固因子の欠乏を補うようにデザインされたsaRNA薬剤候補。 

腫瘍

非筋肉浸潤性膀胱がんに対するRAG-01(p21-saRNA):p21をアップレギュレートすることで抗腫瘍効果を発揮するようデザインされたsaRNA薬剤候補。2023年第4四半期にオーストラリアで第I相臨床試験を開始予定。

Ractigen Therapeuticsにご興味がある場合は、是非弊社までご連絡ください。https://sugena.co.jp/contact-us/ または、i.sugehara@sugena.co.jpまでメールでご連絡をお願いいたします。)

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