2020年8月7日に起業して、もうすぐ2年と8ヵ月が過ぎようとしている。この間ずっと忙しかった。
いろいろな方々に自分の想いを知ってもらいたいということから、“創業者が語るストーリー”という文章をホームページにアップしており(https://sugena.co.jp/company/message/)、手前味噌だが「面白かった」と言っていただくことが度々ある。“創業者が語るストーリー” は起業以前のストーリーであって、起業した後のことは全く書いていない。
「日本企業と海外のスタートアップを結ぶオープンイノベーション」や「日本企業やスタートアップの海外進出支援」等のコンサルティングを生業としているが、当社自体も起業3年目のまだ駆け出しのスタートアップであることも事実である。事業が少し落ち着いたら起業後の話を書いてみたいとずっと思っていた。
今回から、ありふれた日常の中でいろいろと思うことを綴っていこうと思う。
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コロナの新規感染者数はアップダウンを繰り返しながら、日常はほぼコロナ前の状況に戻りつつある。昨年末あたりから、中国の友人が日本に来ることが増えてきた。
中国の友人が経営する投資会社の幹部女性が日本に長期滞在しており、何度か会食をした。会って食事を共にし、日本について、中国についていろいろと話す内に、急速に距離が縮まり、今では気兼ねなく話せる友人の一人になった。彼女は日本語を話せないが、日本が大好きでいつか日本に移住したいとの夢を持っているらしい。
また、当社が財務顧問を務めている中国の創薬系スタートアップのCOOが京都の学会に参加するために来日した際に会食をした。彼は中国に住んでいるがフィンランド人で奥様が中国人。オンラインでの打ち合わせでは気づきようもなかったが、身長がほぼ2メートル。自分の人生で2メートルの人と会話したことも初めてだった。フィンランドと日本は昔から友好関係にあり、ムーミンが日本で人気だということを誇らしげに話していた。食事の後、浅草寺に事業の発展を祈願し共に参拝した。
今週も、中国駐在時代の元部下との会食や、当社が戦略的パートナーシップを締結している深圳のアクセラレータiMakerbaseの丁総経理らとの会食の予定が入っている。元部下は4年前に別の会社に移っており、その会社の幹部として日本事業開拓を担う立場であり、日本市場についていろいろと話を聞きたいとのこと。iMakerbaseとは2021年から戦略的パートナーシップ契約を締結して現地のイベントにオンラインで参加したり、定期的に打ち合わせをしたりしているが、対面で会うのは今回が初めてとなる。丁総経理はオンライン越しでも温厚な人柄が伝わってくる人。私の流暢ではない中国語にも我慢して付き合ってくれる。日本に行くのでぜひ一緒に食事をしたいと言われた時に、なかなか大きな成果に繋がっておらず申し訳ないという私に、「コロナ禍でお互いに行ったり来たり出来ない中で、それでも我々は友好な関係を築けている。これから一緒にビジネスに繋げられるように頑張っていきたい。そのために会いたい。」と言ってくれた。
私が起業したのは2020年8月。その後ずっとコロナ禍の状況が続いていたので、起業してから一度も海外に行っていない。その間も多くの中国企業と仕事をさせていただいており、実は一度も会ったことのないパートナーやお客様がどんどん増えている。今後、そうした人たちとリアルに会うことでまた新しい関係に発展していくことが楽しみである。その先にお互いのビジネスの発展に繋がるようにしていければと思う。
話は変わるが、毎年、初詣は調布市の深大寺に行っている。今年も人出が多い年始を避けて3月に厄除け祈願に詣出てきた。深大寺は日本三大だるまとしても有名。今年は久しぶりに厄除元三大師大祭・だるま市も3月3日と4日に開催された。
シンガポールに駐在していた時、担当市場の中で市場規模は大きい割にほぼ売上がゼロだったインド市場の開拓に力を入れていて、毎年だるまを日本からニューデリーまで持って行き、販売代理店の幹部と一緒にその年の販売目標を目に書いて、目標達成をみんなで祈願していた。
その名も”DARUMA CHALLENGE” 。毎年、前年実績を大幅に上回り、DARUMA CHALLENGEは毎年更に大きな目標を祈願しては達成していた。最後にインドに出張した際に、販売代理店の全従業員と共にだるまの右目に目を入れたのが思い出される。興奮して踊り出したインド人たちが懐かしい。
実は、自分で会社を作ってから、一度もだるまを買ったことは無かった。だるまチャレンジをやってみんなを鼓舞していたことさえもすっかり忘れてしまっていた。
今年、起業以来初めてだるまを買い、厄除けと商売繁盛を祈願してだるまの左目に墨で目を入れた。起業から2年8ヶ月走り続けた今、コロナ禍の状況から世の中が変わりつつある中、だるまに目を入れて、少し落ち着いて着実に仕事をしていきたいと改めて決意を固める次第である。
2023年4月2日記