社長エッセイ

社長の日曜日 vol.53 手作りの鯉のぼり 2024.04.29 社長エッセイ by 須毛原勲

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 春真っ盛り。神田川沿いにはツツジが赤、ピンク、赤紫、白と、鮮やかに咲き誇っている。小手毬や花水木の白が新緑の中で爽やかに輝いている。こどもの日が近づき、今年も地域の子どもたちが作ったカラフルな鯉のぼりが楽し気にそよいでいる。

 ゴールデンウイークが始まった。最長で10日間の休暇を取る企業もあるようだ。

 折角のゴールデンウイークだが、円安の影響もあって、日本人の海外旅行先には近場が好まれ、海外旅行者数はコロナ禍前の8~9割程度までの回復にとどまっているとのこと。一方、日本に来る外国人は相変わらず多い。

 17日に日本政府観光局が発表した3月の訪日外国人客数は3,080,160人となり、単月で300万人を超えた。この数字は前年同月比で69.5%増、2019年同月比で11.6%増となっている。春の桜シーズンによる訪日需要の高まりに加え、今年のイースター休暇が3月下旬から始まったことも要因として挙げられる。台湾、フィリピン、米国などからの訪日外客数が増加し、今月の数字を押し上げた。23市場のうち17市場(韓国、台湾、香港、シンガポール、フィリピン、ベトナム、インド、オーストラリア、米国、カナダ、メキシコ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、北欧地域)は3月として過去最高を記録した。さらにベトナム、インド、米国、カナダ、メキシコ、ドイツ、イタリア、北欧地域では単月過去最高を更新した。どこへ行っても外国人観光客を多く見かけるようになった。私の家の近所のコンビニでも日常的に外国人客に遭遇する。

 さて、処理水の影響が懸念される中での中国からの訪問客数は、3月の単月で452,400人と、韓国、台湾に次いで国別第3位であった。しかし、2019年と比較すると75.2%にとどまる。2024年1月から3月までの累計では1,327,900人で、2019年同期比は61.2%ではあるが、2023年同期比では9.3倍に増加している。

 16日、シュルツ独首相が北京の魚釣台国賓館で習近平国家主席と会談したと報じられている。3月27日にはオランダのルッテ首相が北京を訪問し、習近平国家主席と会談している。さらに4月1日にはフランスのセジュルネ外相が王毅共産党政治局員兼外相と北京で会談し、5月には習近平国家主席のフランス訪問が予定されている。

 ブリンケン米国務長官は4月24日から26日にかけて北京と上海を訪問し、王毅氏や習氏との会談に加え、上海市のトップである陳吉寧書記とも会談した。陳氏は清華大学の学長を経て北京市市長に就任し、2022年10月28日には政治局常務委員の後任として上海市党委員会書記に就任した次期リーダーと目される人物である。

 朝日新聞は「高揚感なき米中会談」という見出しで、ブリンケン米国務長官の訪中を報じている。記事によれば、「1年足らずの間に、ブリンケン長官と習近平主席の再会が実現したが、対立する課題に具体的な進展は見られず、11月の米大統領選を控え、歩み寄りの余地は狭まっている」と非常にネガティブな論調である。ブリンケン長官は2023年6月に初訪中し、11月にはサンフランシスコで米中会談が行われた。そして今回、再訪が実現した。記事における「再会」の表現にはカギ括弧が使用されているが、その具体的な意味の説明はないものの、形式的な再会を示唆していると思われる。議論の内容がすべて公開されているわけではないだろう。2国間には多くの課題が存在しているが、それにもかかわらず、相互訪問と対話の重要性は大きいと言える。

 ゴールデンウイーク期間に、岸田内閣の多くのメンバーが外遊する予定である。岸田首相は5月1日から6日間の日程でフランス、ブラジル、パラグアイを訪問し、13人の閣僚も出張を予定している。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行して以来、初めての大型連休であり、首相を含む閣僚の3分の2以上が海外出張する。訪問国が最も多いのは外相の上川陽子氏で、アフリカ3カ国と南アジア2カ国を訪れる予定だ。上川外相の精力的な活動には敬意を表したい。また、パリで開催されるOECD閣僚理事会にも複数の閣僚が出席予定である。連休中に国際会議が集中しているため、外遊が多くなっている。ただし、13人の閣僚中、中国を訪問する者は一人もいない。

 根拠はないが、上川外相が中国を訪れた場合、非常に歓迎されるだろう。習近平国家主席と堂々と向き合う上川外相を見てみたいものである。

 今年のゴールデンウイーク中は、当社はカレンダー通りの業務であるが、連休のお客様も多いため、多少ゆったりと時間を過ごすことが出来そうである。

 この休暇中には、体を鍛えることと、溜まっていた本の読破や観たかった配信動画、映画の鑑賞に時間を割きたい。

4月28日

by 須毛原勲

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