日に日に寒くなっている。暦の上では「小雪」。文字通り、「雪が少し降り始めるころ」を意味し、冬の訪れを感じさせる節気である。あっという間に短い秋が終わり、冬の到来である。
清々しい青空が広がり、気持ちのいい朝だった。久しぶりに距離を伸ばし、かつて何度か訪れた広い公園まで足を運んだ。公園内の小高い場所には犬の散歩をする人々が集まり、遠目からでも犬たちが楽しそうに戯れている様子がはっきりと伝わってくる。
犬と言えば、今年最も注目された犬は「デコピン」だろう。
ドジャースの大谷翔平選手が2024年シーズンのナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選ばれたというニュースは、日本中でも大きく取り上げられた。右肘の手術を経て迎えた今季、一貫して指名打者(DH)として出場。史上初となるシーズン50本塁打・50盗塁を達成し、2年連続、通算3度目のMVPに輝いた。特筆すべきは、DH専任でのMVP受賞が史上初の快挙であること。さらに、異なるリーグでの2年連続受賞も初めての記録であり、満票で3度の受賞を果たした選手も史上初とのことだ。シーズン序盤のあの事件から、今年は苦しい年になると考えた人も少なくなかっただろう。しかし、それらをすべて跳ね除けての快挙である。まさに「あっぱれ」と称するほかない。この1年間、大谷翔平選手の活躍に勇気づけられた日本人がどれだけ多かったことか。来季は二刀流として復活する大谷選手のさらなる活躍が、今から待ち遠しい。
訃報である。元横綱 北の富士勝昭さんが逝去された。
相撲好きの私にとって、NHK大相撲中継での北の富士さんの解説は格別であった。ユーモア溢れる親しみやすい語り口と深い知識に加え、舞の海さんとの丁々発止のやり取りが懐かしい。私が贔屓にしていた稀勢の里や高安をいつも応援してくださっていたことが、特に心に残っている。
北の富士さんは、海外出身の横綱たちを称賛しつつも、「日本人の強い横綱をもう一度見たい」と語られていた。その言葉には、相撲への深い愛情と願いが込められていた。
九州場所千秋楽で、日本人大関の琴櫻が大関豊昇龍の伝家の宝刀の右の投げをこらえて、はたき込みで勝ち、大関5場所目、27歳での初優勝を果たした。先代の琴櫻と同じ年の初優勝だそうだ。
来場所は、琴櫻の綱取り挑戦の場所となる。間に合わなかったが、北の富士さんの夢を叶えてほしい。
謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌。
石破茂首相が南米ペルー、ブラジルの外遊を終えて帰国した。少数与党の党首として、日々多くの悩みを抱えていることだろうと推察するが、その立場を理解しつつも、今回の外遊中の出来事には多くの疑問が残る。
APECでの各国首脳の集合写真に石破首相が写っていなかった。写真を見たとき、「意地悪されて写真から外されたのか」と思ったほどだ。しかし、実際には、日系のフジモリ元ペルー大統領のお墓参りの後に交通事故に巻き込まれ、写真撮影に間に合わなかったという。不測の事態とはいえ、そもそもお墓参りを優先する判断が適切だったのか疑問である。
朝日新聞には、APEC首脳会議の合間に石破首相がスマホを操作している写真や、各国首脳が挨拶に訪れた際に座ったまま握手をしている写真が大きく掲載された。「外交経験の乏しさから来るものだ」と擁護するような論調もあったが、これらの振る舞いは外交経験とは無関係だ。単なる非礼と言わざるを得ない。石破首相には、日本の代表としての自覚を持ち、「日本人が恥ずかしいと思わないような」より慎重な行動を心がけてもらいたい。
そのペルーでの石破首相と習近平国家主席との日中首脳会談が功を奏したのかは分からないが、中国政府は、22日、日本人の短期滞在ビザ免除を30日に再開すると発表した。滞在可能日数は以前の15日から30日に拡大し、25年末まで適用するという。新型コロナの影響で2020年から停止されていた措置が復活する。これは、素直に嬉しいニュースである。
石破首相は「日中間の交流が一層活発になることを期待する」と述べ、日中関係の基盤として国民同士の交流を重視する考えを強調した。日中関係は改善に向け動き出しており、福島第一原発の処理水問題や水産物輸入再開に向けた調整が進む中、岩屋毅外相が年内の中国訪問を予定している。また、6年ぶりとなる日中与党交流協議会の年内再開を目指し、自民党と公明党が中国側と調整を進めている。今後のハイレベルの往来や議員外交の活性化が、両国関係の安定と経済効果にどのように寄与するかが注目される。多くの課題があっても、兎にも角にもいろいろなレベルで交流を進めていく。それが一番大切なことだと思う。期待したい。
日本政府観光局(JNTO)の最新の発表によると、2024年10月の訪日外国人旅行者数は約331万人となり、前年同月比31.6%増加した。単月のこれまでの最高記録である7月の329万人を上回る結果となった。
国別では、韓国からの旅行者が720万人で1位。前年比30.3%増加。次いで、中国からの旅行者が約583万人で、前年185万人に対して3倍強に増加し、2019年同期の813万人に対して88.5%の回復を見せている。コロナ禍で落ち込んだ中国からの訪日客がコロナ禍前の数に回復するのももうすぐだ。3位台湾、4位米国、5位香港と続く。
円安が訪日旅行者数の増加に寄与していることは明らかである。2024年1月から9月までの訪日外国人旅行者による消費額は約5兆8,600億円(約3,927億ドル)に達し、同時期として過去最高を更新した。これは、2023年の年間消費額である5兆3,000億円を上回る結果となっている。この消費額は、日本の第二の輸出産業としての地位を示している。
2024年7月~9月期のインバウンド消費動向調査(観光庁)によれば、訪日外国人旅行者の総消費額は約1兆9,480億円であった。 その内訳は、中国が約5,177億円で全体の26.6%を占め、次いで台湾が約2,844億円、韓国が約2,285億円、米国が約1,860億円となっている。訪日客数が2位の中国の消費額が、1位の韓国の倍以上と際立っている。
外交関係は経済に直結しており、多くの国との良好な関係構築が、訪日旅行者の増加と経済効果に繋がる。日韓関係の政治的な改善を背景に韓国ではちょっとした日本文化ブームとなっているらしい。そのため、訪日客も急増している。
現在、日本は中国人に対する短期滞在ビザの免除措置を実施しておらず、手続きの簡素化などの対応を検討している状況である。中国経済の低迷やビザ要件の影響で、中国人訪日客の増加は限定的との見方もあるが、実際の訪日観光客の数字や消費額を見ると日本への関心は依然として高いのは事実である。
来年の春節の大型連休の時に日本を訪れたいと思う中国人がどれだけ増えるのか、注目したい。
11月24日