■ 朝のリズム
先週の台風6号に続き、「台風のたまご」といわれた低気圧の接近に伴って、すっきりしない空模様が続いている。一度しまったウインドブレーカーをまた引っ張り出して羽織る日々だ。
そんな天気でも、公園には毎朝ラジオ体操の人たちが三々五々集まって来る。「あさんぽ」の犬たちも暑さの訪れとともにすこしずつ時間帯が早まっているようだ。
スクワットの最中によく遭遇するチワワのくーちゃんとは、相変わらず打ち解けられない。ピットブルのウィリアムは今朝久しぶりに姿を見せてくれた。飼い主を前のめりに引っ張る力強い歩き——歩く姿は闘犬そのものだ。
今日初めて出会ったのが、秋田犬の“らじまる”、13歳の雄。階段を上りきったところで、頑として動こうとしない。いつも立ち寄る精肉店が定休日で、おかんむりらしかった。らじまるは見事な「サマーカット」が施されている。たてがみのように盛り上がった頭、体は丸刈り、先だけ毛を残した尻尾——まるで雄ライオンの風格である。それでいて、撫でると大人しく愛想がいい。犬も人間同様、見た目と性格が必ずしも一致せず、犬それぞれ、である。
今日、気象庁が関東甲信の梅雨入りを発表した。雨の日が増えれば、愛らしい連中との朝の邂逅も減ってしまうかもしれない。
ラジオ体操で顔を合わせる見知らぬ人たち。道すがら出会う犬たち。季節とともに咲き進む花々。この早朝の時間が1日のリズムを整えてくれる、なくてはならない朝の儀式だ。
■ 感動をありがとう
6月3日。長嶋茂雄さんが逝って、1年が経った。
その日、東京ドームは「FOR3VER 6.3 ~長嶋茂雄~」として巨人対オリックス戦が開催されていた。
3点を追う8回裏、1死満塁。代打・丸佳浩がバッターボックスに入った。148キロの直球を振り抜いた打球は、右中間へ——長嶋さんが微笑むセコムの看板へ向かって、一直線に飛んでいった。
逆転満塁ホームラン。カメラが、看板の長嶋さんの顔をそっとズームアップした。
ヒーローインタビューで、丸選手は目を潤ませながら言った。
「長嶋さんが打たせてくれたホームラン。僕はそう信じています」
震えた。
長嶋さんは2021年、不振で2軍落ちしていた丸選手のもとへ直接足を運び、熱血指導を施してくれた恩人でもある。その丸選手が、恩人の1周忌に、恩人の看板へ向けてアーチを描いた。
できすぎた話だが、これが野球というものだ。いろいろとあった巨人軍だが、勝ち続けてほしい。
■ 少子化の日本、高齢化の日本——救世主はいるか
先週、衝撃的なニュースがあった。
2024年の出生数は68万6,061人。統計のある1899年(明治32年)以降、初めて70万人の壁を割り込んだ。合計特殊出生率は1.15で、過去最低をさらに更新した。終戦直後には250万人を超えていた出生数が、ここまで落ちた。
少子化が進む一方で、高齢化も同時進行している。2024年9月現在、65歳以上人口は3,625万人。総人口に占める割合は29.3%と過去最高を更新した。隣国も無縁ではない。韓国の出生率は0.72。少子高齢化は、アジア全体の構造問題だ。
かつてイーロン・マスクはこう警告した。「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう」と。現在の推計では、2100年の日本の人口は4,771万人にまで落ちるという。
少子化対策は、専門家の議論に委ねたい。
ただ、1人の経営者として言えることがある。失われる労働力をどう補うか。答えはロボットだ。高齢化が世界で最も進んだ日本は、フィジカルAIの世界最大の需要地になりうる。課題先進国の痛みを、ここで活かす番だ。
孫正義氏はかつて語った。「日本の減り続ける労働力を補完する存在がスマートロボットだ」と。その言葉が今、より切実なリアリティを持って響く。
弊社のフィジカルAI最新レポートは多くの方にダウンロードいただいた。第2弾を6月中に公開すべく現在準備中。日本企業が「どの企業と、どう組むか」——その問いへの答えを指し示したい。
人口が減っても、豊かであり続ける方法はあると信じている。
【お知らせ】中国フィジカル AI 産業 最前線レポート 2026 好評公開中!
おかげさまで、多くの方にダウンロードいただいています。
人型ロボット、犬型ロボット、自律走行ロボット——「フィジカルAI」と呼ばれるこの新産業は、いま中国で、EVの次に最も熱い市場です。世界出荷の84.7%が中国製。無数の新興企業が、次々と立ち上がっています。
EV市場の急発展のときと、同じ景色です。技術も、サプライチェーンも、政策も、すべて中国に揃っている。違うのは、今度はロボットが自分の足で立ち上がっていることです。
SUGENAは、中国ビジネスの最前線に立ち会ってきた立場から、この産業の「現在地」と「日本企業が今、何をすべきか」を1冊にまとめました。まずは全体を俯瞰したいという方に、ぜひご一読いただければ幸いです。
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《今週の写真》デザートプレートのお祝いメッセージ
私が東芝に入社したとき、その方はアメリカ現地法人に駐在されていた。12歳年上。干支が同じで、誕生日も同じ日だ。
入社4年目、海外初出張で訪れたカリフォルニア州オレンジ郡アーバイン。ご自宅に招いていただき、奥様の手料理をご馳走になった。あの日のことは、今も鮮明に覚えている。
それから幾年。人生には、上り坂も下り坂も、まさかもある。それでも折に触れて声をかけていただき、食事やゴルフをご一緒した。「どう、最近」。特に深い話をするわけではない。ただ、気にかけていただいている——その気持ちが、ありがたい。

久しぶりに食事を御一緒した。
私の行きつけの店では、頼んでもいないのに、会話を聞いたスタッフが小粋なアレンジを添えてくれた。その方のデザートのプレートに、「祝!喜寿」の文字。
2026年6月7日
