■ 秋らしい秋
先週もずっと雨だと書いた。その後も雨は降り続き、東京都心では8月27日から今日27日まで、32日連続で降水が観測されている。いつもはせせらぎのような神田川が、渓流下りのような流れになっていた。
秋分の日を過ぎて、急に朝が遅くなった気がする。今日の東京の日の出は5時32分。9月1日は5時13分だった。日の入りは17時31分。これから、どんどん日が短くなっていく。まさに「つるべ落とし」だ。
今年の中秋の名月は25日だった。満月はその2日後、今日27日の午前1時49分。名月と満月が2日ずれるのは2017年以来で、次は2043年だという。長雨の雲の向こうで、月は満ちていた。
道端の彼岸花は、お彼岸が過ぎると、あっという間に枯れてしまった。
■ 11年ぶりの5連休
シルバーウィークは、映画を1本観て、水戸へお彼岸の墓参りに行ったくらいだった。
映画は是枝裕和監督の『ルックバック』実写版。原作は藤本タツキの漫画で、アニメ版も観ていた。是枝作品が好きなので、実写でどうなるのか観たかった。地元の映画館は久しぶりだ。シニア料金で1,200円。スクリーンもそれほど小さくない。歩いて行ける映画館も悪くない。映画そのものに、驚くような感動はなかったけれど。
水戸は、気が付けばほぼ1年振りだった。日頃の無沙汰を墓前に詫びた。
水戸の旧市街は、馬の背のような台地の上にある。水戸駅から延びる大通りの先に実家があった。小学5年生まで、そこで暮らした。通りはシャッター街となり、昔ながらの店があった場所は駐車場に変わってしまった。
お寺の周りだけは、昔と変わらない。境内を抜けて墓まで歩く道も、あの頃のままだ。
子どもの頃の遊び場は、この境内だった。ビー玉、ベーゴマ。釣り鐘を逆さにしたような水鉢にザリガニを入れて、釣り堀にしたこともある。
屋根に投げた石は、転がり落ちるうちに雪だるまのように大きくなる。そう信じて小石を投げた。石は高く上がらず、本堂のガラスを思いきり割った。和尚に叱られ、本堂で正座させられた。肝試しも、このお寺だった。墓のところまで一人で行って、戻ってくる。
境内には大きなイチョウの木がある。秋、黄色い葉の山に潜って遊んでいたら、体じゅう銀杏の匂いになって、母に叱られたことを思い出す。シルバーウィークの今は、まだ黄葉していなかったが。
■ 敬老の日
21日は敬老の日。TBSラジオは開局75周年の特番で、『大沢悠里のゆうゆうワイド』を1日だけ復活させた。大沢悠里さん、85歳。30年続いたこの番組を、若い頃からよく聞いていた。懐かしい声は、いまも張りがある。
毎朝、ウォーキングの最中に『森本毅郎・スタンバイ!』を聞いている。アシスタントの遠藤泰子さんは、永六輔さんの『誰かとどこかで』で40年以上、相方を務めた人だ。森本さん87歳、遠藤さん82歳。冒頭のフリートークも、新聞の読み比べも、キレッキレだ。
土曜の朝は、ニッポン放送の『徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー』もよく聞く。徳光さんも85歳。巨人ファンで、長嶋ファン。巨人が勝った週は声が弾み、負けた週は愚痴ばかり。我ら巨人ファンの心を代弁してくれる。巨人が優勝して、うれしそうな徳さんの声を聞きたい。来年に期待だ。
■ 「まずAIに聞く」社会
恋愛の相談も、その日の服装も、生成AIに聞く時代だ。中国はどうか。
ヨシミさんの連載ブログ「中国のリアル」で、「中国人はいま、AIをどう使っているのか」が進んでいる。全3回のうち、2回まで公開している。
中国のAIネイティブアプリの月間利用者は、2026年5月時点で4億9,900万人。前年から85.4%増えた。1人あたり月92.7回、183分使っている。
第1回は暮らしの話だ。アリババの千問に「タピオカミルクティーを一杯」と頼むと、多店舗の候補を出し、カロリーやその他いろいろな条件で絞り込み、そのまま決済まで進む。アプリを行き来する必要はない。
第2回は仕事と学習。日常の用事は豆包、込み入った思考はDeepSeek、長い文書はKimi。中国の利用者は、用途ごとにAIを使い分け始めている。小中高生の6割超が生成AIを使い、その71.0%が宿題に使う。20.5%は、考えることをAIに頼りたいと答えた。
最終回は、AIが「友だち」になる話だ。7月15日、中国ではAIの擬人化サービスを規制する暫定弁法が施行された。同じ日、豆包と通義千問は、ユーザーが作ったエージェントを一斉に停止した。
ぜひ、ご一読いただきたい。
■ 近づく米・中
9月22日、国連総会の演説で、トランプ大統領はAIという呼び方をやめ、SI(スーパーインテリジェンス)と呼ぶと宣言した。アーティフィシャル(人工)は偽物のように聞こえる、というのが理由だ。
2日後の24日、ワシントンを訪れた習近平国家主席と、ホワイトハウスで会談した。5月の北京に続き、今年2回目。AIが暴走しないよう、危機管理のための対話の枠組みをつくることで合意した。 11月には深圳でAPEC首脳会議がある。米中の首脳は、そこでも顔を合わせる見通しだ。
近づく米中の二大国。距離が一向に縮まらない、日本と中国。
弊社では29日にセミナーを開く。中国のヒューマノイドロボットを部品から読み解く「フィジカルAI解体新書」。29日は、日中国交正常化から54年の日でもある。
深圳のAPECには、高市首相も出席する見通しだ。中国との距離は縮まるのか。期待したい。が――。
中国フィジカルAI視察プログラム―上海・杭州-のご案内
今、見て、感じてほしい。中国フィジカルAIの現在地を。
中国の最先端フィジカルAI企業を訪問する視察プログラムの企画を監修、情報を公開しました。
※旅行手配は株式会社いい旅(観光庁長官登録旅行業 1737号)が行い、弊社は企画の監修・視察同行を担当します。
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無料セミナー「フィジカルAI解体新書」9月29日開催
『解体新書』は、安永3年(1774年)に刊行された、日本で最初の本格的な西洋医学の翻訳書である。ドイツ人医師クルムスの解剖書のオランダ語版『ターヘル・アナトミア』を、杉田玄白、前野良沢、中川淳庵らが訳した。辞書はない。オランダ語ができるのは良沢ひとり、それも単語をわずかに知る程度である。それでも彼らは築地の良沢の家に集まり、3年をかけて訳し終えた。「神経」「動脈」「軟骨」。今日われわれが使っている言葉は、その時に作られている。
今月29日(火)、セミナーを開く。題して「フィジカルAI解体新書」。
解体新書と聞けば、部品レベルまで解剖する話かと思われるかもしれない。基幹部品の話も、もちろんする。だが今回「解体」したいのは、部品そのものではない。なぜ中国は、これほど速く、これほど安くヒューマノイドを進化させられるのか。その強さの構造を解体し、日本企業の勝ち筋を探るのが目的だ。
250年前、彼らが異国の書物を開いて遅れを取り戻そうとしたようなことを、今日の我々もまたやらねばならない。
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《今週の写真》夏の名残花
カンナ。夏の花が、長雨の中でまだ咲いている。
2026年9月27日


