社長エッセイ

社長の日曜日 vol.3 Chat GPTとのつきあい方 2023.04.17 社長エッセイ by 須毛原勲

  • facebook
  • twitter

 Chat GPTという言葉をメディアで目にしない日はない。

 先日、オープンAIのサム・アルトマンCEOが来日したこともあり、多くのメディアで取り上げられているし、YouTubeでも多くの人がそれぞれの見解をアップしている。懸念点を指摘しつつも積極的に活用すべきだという立ち位置での意見と、多くの嘘の情報を基に文章が作成されている可能性もあるので慎重に対応すべきだという立場に二分されている。イタリアのように、データ収集手法を問題視し一時的に利用を制限してしまった国もあれば、国会答弁にもChat GPTを活用すべきだと国会議員が発言する日本のような国もある。

 4月11日の朝日新聞の耕論で、Chat GPTに質問を投げかけ、それに対するChat GPTの回答が記載されている。

—————————————————————————————————–

チャットGPTとはどのような仕組みで、何が人間並みにできますか?限界は何ですか?チャットGPTは具体的にどんな仕事を人間の代わりに担える可能性がありますか?これから対話型AIが人間の役割を奪っていくのではないかと悩んでいますが、どうしたらいいか、人生のアドバイスをください。

  —————————————————————————————————–

 私も同じ質問をChat- GPT4に入力したら、以下の回答が返ってきた。

チャットGPTは、Open AIが開発した大規模な言語モデルで、GPT-4アーキテクチャをベースにしています。このモデルは、機械学習の手法であるディープラーニングを利用して、大量のテキストデータからパターンや文法、情報を学習し、自然な文章を生成する能力を持っています。

人間並みにできること:

質問への回答

文章の作成

文章の編集や校正

情報検索

簡単な推論や論理的思考

 限界:

時事的な知識や最新の情報に関する認識がない

深い感情や人間の経験に対する理解が不十分

複雑な問題解決能力や創造性が限られている

人間とのコミュニケーションにおける共感や感情表現が不十分 

チャットGPTが担える可能性のある仕事:

カスタマーサポート

文書作成や編集

コンテンツ生成(例: ブログ記事、広告コピー)

言語翻訳

教育やトレーニング

対話型AIが人間の役割を奪っていく懸念に対しては、AIが人間を置き換えるのではなく、協力関係を築くことが重要です。AIは、人間の作業を効率化し、より高度な課題に注力できるように支援することができます。将来に向けて、技術革新に適応し、AIと共同で働くスキルを身につけることが重要です。また、創造性や共感力、リーダーシップなど、AIが持ち得ないスキルを磨くことで、自分の価値を高めることができます。これらのアプローチにより、AIの発展を恐れず、人間とAIが共存・協働する未来を築くことができるでしょう。

 —————————————————————————————————-

 朝日新聞の質問文と句読点も含めて一字一句同じ質問を投げかけたが、回答は朝日新聞に掲載されている内容と微妙に異なっている。構成として大きく異なるのは、私への回答はポイントが箇条書きとなっており、明らかに読みやすくなっていた。

 例えば、医学的な専門領域の確認のために、Chat GPT-4を活用してみた。

設問:  in vivo CAR-Tを簡単に説明していただけませんか?

回答:

もちろん、説明いたします。 in vivo CAR-T(体内でのキメラ抗原受容体T細胞療法)は、がん治療の革新的な方法の1つで、患者の免疫システムを利用してがん細胞を攻撃することを目的としています。従来のCAR-T細胞療法は、患者からT細胞(免疫システムの一部)を採取し、実験室で特定のがん抗原を認識するキメラ抗原受容体(CAR)を発現させる遺伝子を導入します。その後、遺伝子操作されたT細胞(CAR-T細胞)を患者の体内に戻し、がん細胞を攻撃させるという方法です。

In vivo CAR-T療法は、このプロセスをさらに進化させた方法です。ここでは、対外でのT細胞の遺伝子操作の代わりに、特殊な遺伝子編集技術(例: CRISPR)を用いて患者の体内で直接T細胞にCAR遺伝子を導入します。このアプローチにより、より迅速で効率的な治療が可能となり、コストや技術的な制約が軽減されることが期待されています。

ただし、in vivo CAR-T療法はまだ開発段階であり、安全性や効果に関する多くの課題が残されています。それにもかかわらず、この技術はがん治療において大きな可能性を秘めているとされています。

 例えば、同じ内容をGoogleで検索した場合、いろいろなサイトの情報を渡り歩き、読んで理解して要約する必要があるので、Chat GPT4.0の方が要約してくれるのは便利と言える。

 但し、この内容が正しいのかどうかの判断は、基本的な医学の知識がないと難しい。翻訳ソフトを活用したときと同じ理屈だ。日本語から外国語に自動翻訳した場合、翻訳された外国語をある程度理解していれば翻訳の正しさと適切さも判断できるが、全く知識がない言語に自動翻訳したとして、それが正しいかどうかは全く判断できない。

 次の質問。

設問: 私はコンサルタント業を営んでいるのですが、コンサルティング業でChat GPT-4を活用することがクライアントの利益に繋がるということを5つのポイントに要約してまとめてください。

回答:

1.時短と効率化  

Chat GPT-4を活用することで、クライアントの問題解決に向けて迅速かつ効率的に情報を提供できます。これにより、コンサルタントはより高度な分析や戦略立案に専念できるため、全体的なサービスの質が向上します。

2.柔軟な対応力

AIは大量の情報を素早く処理し、多様な案件に対応できるため、一般的な業務だけでなく、特定の専門知識を必要とする案件にも対応可能です。これにより、クライアントに柔軟で迅速なサービスを提供できます。

3.知識のアップデート

Chat GPT-4は定期的に知識が更新されるため、最新の情報やトレンドを把握し、それをクライアントのニーズに合わせて提案できます。これは、適切な戦略立案や意思決定をサポートします。

4.ヒューマンとの連携

AIは単独で業務を行うのではなく、コンサルタントと連携して働くことで最大の効果を発揮します。人間の直感や経験を活かした判断と、AIのデータ処理能力を組み合わせることで、より質の高いサービスを提供できます。

5.費用対効果

Chat GPT-4の活用により、コンサルタントの人件費や時間コストが削減されます。この結果、クライアントはより低コストで高品質なサービスを受けることができます。

以上の5つのポイントにより、Chat GPT-4の活用はコンサルティング業において適切であり、クライアントに価値を提供する手段だと言えます。

———————————————————————————————————-

 簡潔に要約された一見良い回答にも見える。但し、柔軟で迅速なサービスやコンサルタントの人件費や時間コストの削減などをGPT-4を活用することの利点としてクライアントに説明するとしたら、その効果を数値化する必要があると思うが、その回答はChat GPTは提示してはくれない。

 Chat GPT-4の回答をそのままクライアントに提示したら、そんな感覚的なことを言われても困ると言われるのがオチである。

 とはいえ、Chat GPT3.5からChat GPT4.0になって格段に進化したように、今後もChat GPTは進化し続けるだろう。その進化を体感するためにも、今後もChat GPTを活用していくつもりだ。

 但し、あくまでもサポートツールとして。

 最後にもうひとつ、 Chat GPT4.0に聞いてみた。

今年のジャイアンツは優勝できますか?

回答:

私はAIであり、将来の出来事を予測する能力はありません。しかし、読売ジャイアンツ(Yomiuri Giants)は日本のプロ野球チームで、過去に数々の優勝を果たしています。そのため、彼らが優勝する可能性は常にあると言えます。

ただし、優勝できるかどうかは、選手のパフォーマンス、チームの戦術、対戦相手、怪我や状況など様々な要素によって決まります。最終的に優勝できるかどうかは、シーズンが進むにつれて明らかになるでしょう。

4月16日記

by 須毛原勲

ブログ一覧に戻る

PAGETOP