社長エッセイ

社長の日曜日 vol.59 夏至 2024.06.24 社長エッセイ by 須毛原勲

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 21日は「夏至」。東京の日の出は4時26分。このところ仕事が立て込んでいることもあり、超朝方モードに切り替えて毎朝4時に起きて生活しているが、確かに4時でももう外は明るい。同日、気象庁は関東甲信、東海、近畿地方が梅雨入りしたとみられると発表した。関東甲信の梅雨入りは平年より14日、昨年より13日遅かった。ここ2週間ほど海外出張や国内出張が続き、東京を留守にすることが多かったが、梅雨入りしていないのではないかとは思っていた。

 季節の移り変わりは、さまざまな思い出を運んでくれるものだ。

 昨年の梅雨入りの頃、当社でインターンをしていた学生が大学院を卒業して上海に帰国するというので、ランチをした。彼女はお父さんが日本人、お母さんが上海人で、上海で生まれ育ったが、国籍は彼女の意思で日本を選んだ。日本人として日本で就職したいと考え、北京大学を卒業後、東京大学大学院を修了したが、夢叶わず日本で就職先は見つからなかった。日本が大好きで、日本国籍を選んだにもかかわらず、日本の社会は彼女を受け入れてくれなかったと嘆いていた。彼女と日本語で話す機会は限られていたが、彼女の日本語はネイティブとまではいかなかった。上海に戻り、中国で会計士の資格を取得し、現在は四大会計事務所のひとつに就職している。いまも時々WeChatで連絡を取り合っているが、元気そうで安心した。

 現在、私の友人である中国人の息子さんが、早稲田大学のMBAにて勉強しながら当社のインターンをしている。彼は米国の大学を卒業しており、英語は相当なレベルであるが日本語はまだまだである。早稲田大学のMBAの授業は英語で行われるので、日常的には全て英語で事足りる。それが彼の日本語能力の向上には妨げになっていると思う。彼も可能であれば日本で就職したいようなことを言っているのだが。

 さて、どんなに仕事が忙しくても、スポーツフリークの私は、スポーツニュースをチェックする時間だけは確保している。中でも大谷翔平選手の快進撃は、多忙な時間の一服の清涼剤となっている。23日時点で、3試合連続の23号ホームランを放ち、リーグトップを走り続けている。ベッツ選手の負傷欠場により、一番・指名打者として出場するようになってからさらに好調で、異次元の活躍を続けている。この調子をキープしてほしい。

 日本のプロ野球では、交流戦が終了した。2週間前、このブログで巨人軍が交流戦に入って2カード連続で勝ち越したことを喜んで書いたが、2週間後の今、巨人軍は打撃が不振で、ゲッツーの山を築き続けている。交流戦で負け越し、交流戦明けのヤクルト戦も2連敗と、状況は悪化の一途を辿り、まるで去年までの原巨人時代に戻ったかのようだ。気がつけば、セ・リーグ4位に転落し、首位広島とのゲーム差は4.0に広がってしまった。背後にはヤクルトと中日が迫っている。何とか踏みとどまってほしいものである。大谷翔平選手の活躍とは対照的に、我が巨人軍の体たらくにはモチベーションがダダ下がりである。スポーツで一喜一憂するのも大人げない気はするが、同じような日本人は多いだろう。

 一方で、Jリーグ鹿島アントラーズは19試合を終え、首位町田と勝ち点差2の2位につけている。年間38試合なので、ちょうど折り返し地点である。何とか頑張ってほしいものである。

 プロ野球の話に戻るが、交流戦のMVPには、日本ハムの水谷瞬選手が選ばれた。水谷選手は打率.438と打ちまくり、交流戦歴代最高打率を更新した。彼の活躍はMVPに相応しいものだった。昨年オフにソフトバンクから現役ドラフトで日本ハムに移籍した水谷選手は、2018年のソフトバンク入団以来、6年間一度も一軍昇格のチャンスがなかった。現役ドラフトという制度が導入されて以来、それまで所属球団で活躍できなかった選手が球団を移籍して活躍するケースが増えている。例えば、DeNAから中日に移籍した細川選手や、ソフトバンクから日本ハムに移籍した田中正義選手などがいる。日本ハムが持つ、他球団の控え選手のポテンシャルを見極める目と、再生するチーム力(コーチ、新庄監督の選手起用)はやはり素晴らしいと感じる。

 水谷瞬選手は身長193センチで、お父さんはナイジェリア人である。日本ハムでは既に万波中正選手が大活躍しているが、彼の父親はコンゴ民主共和国出身で、母親が日本人のミックスだ。現在、スポーツ界では多くのミックス選手が活躍している。巨人軍のオコエ瑠偉選手はナイジェリア人と日本人のミックスで、妹のオコエ桃仁花さんもプロバスケットボール選手である。先日、全米女子オープンで2度目の優勝を果たした笹生優花選手もフィリピン人の母親と日本人の父親を持つ。フィリピンといえば、私のご贔屓の大相撲の高安関も母親がフィリピン人である。

 スポーツ界のように、日本の社会全体も多様な背景を持つ人々を受け入れる社会になってほしいものである。

6月23日

by 須毛原勲

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