今週は、生成AIについて考えさせられることが多かった。
通常の「社長の日曜日」はコンパクトにお届けする。番外編でAIについて書いているので、ぜひそちらもご覧いただきたい。
■ 教皇は「立ち止まれ」、経済誌は「もっと」
5月25日、ローマ教皇レオ14世が、就任後初の回勅を出した。主題は、人工知能。『マニフィカ・フマニタス(輝かしき人間性)』、約42,000語。「AIの制御を、一部の者の手に委ねてはならない」と説いている。
署名は、5月15日。ちょうど135年前のこの日、先代のレオ13世は、産業革命と労働者の尊厳を論じた回勅を世に問うた。AIを、あの産業革命に並ぶ地殻変動と見据えた——そう読める、意図された日付だろう。
私が目を奪われたのは、発表の壇上だ。教皇の隣に、AI企業アンソロピックの共同創業者が並んで立った。私も毎日使っているClaudeを生んだ、あの会社である。教会とAIの最前線。本来交わらぬはずの二つが、同じ壇で言葉を交わした。後から振り返れば、確かな節目になるはずだ。
一方、今週の『週刊東洋経済』の特集は「AI超活用術」。旅行にも、翻訳にも、もっと使え、と背中を押す。
最高の道徳的権威が「立ち止まれ」と言い、経済誌が「走れ」と言う。同じ週に、ブレーキとアクセルが、きしんだ音を立てた。
ならば、問われているのは何か。――それは、どちらに従うか、ではない。誰がハンドルを握るのか、だ。
AIとどう付き合うか、自分なりの「10ヶ条」を書き留めてみた。少し長くなったので、番外編に譲る。ここには、その最後の1条だけを置いておきたい。
──AIは道具なり、主人にあらず。使うは汝、使われるな。
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《今週の写真》立葵
神田川沿いの小さな公園のそばで、大きな花びらを広げたピンク色の花を見かけた。
立葵(たちあおい)。ホーリーホックとも呼ばれる。夏の炎天で咲くこの花が、もう大輪をつけていた。
水戸出身の私は、サッカーチーム・水戸ホーリーホックを密かに応援している。そのホーリーホック、実は徳川家の葵の御紋に由来するという。水戸と葵。なるほど、と思った。
2026年5月31日
